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静かな 尾根道
大沢山−大洞山−笹子雁ヶ腹摺山
2004年4月3日(土)


 2004年4月3日(日)、中央沿線:大沢山−大洞山−笹子雁ヶ腹摺山を歩いてきました。富士山や南アルプスは霞んでボンヤリとしか見えな
かったけど、山中で出会った登山者は一人だけ…という、静かな山旅を楽しむことができました。

 山の記録、2〜3日で書き上がると思ったのに1週間近くかかってしまいました。新しい仕事が軌道にのるまで仕方ないのかも…。


【登山日】 2004年4月3日(土)  天気 晴れ

【マップ】 昭文社エアリア「高尾・陣馬」「大菩薩連嶺」
      ダウンロードマップ「笹子峠周辺」
      参考:中央沿線の山々(実業之日本社)

【行 程】 ☆JR笹子駅〜摺針峠
      JR笹子駅8:35…追分8:55…奥野橋(尾根取付き)9:10…
      899m9:35…213号鉄塔9:50…大沢山11:00/11:15…
      1450m11:55/12:05…1355m12:20…摺針峠12:35

      ☆摺針峠〜JR甲斐大和駅
      摺針峠12:40…大洞山12:55/13:15…三境13:25…
      石柱のあるピーク13:50/14:00…笹子峠14:25…
      209号鉄塔14:50/14:55…笹子雁ヶ腹摺山15:15/15:25…
      208号鉄塔15:40…林道16:10…JR甲斐大和駅16:40

【メンバー】 単独




☆JR笹子駅〜摺針峠

 JR笹子駅8:35…追分8:55…奥野橋(尾根取付き)9:10…
 899m9:35…鉄塔(NO213)9:50…大沢山11:00/11:15…
 1450m11:55/12:05…1355m12:20…摺針峠12:35


 中央線沿線は桜が満開だ。まだ冷たい雨の降る日はあるけれど、このボワーっとしたピンクは春の確実な訪れを教えてくれる。車窓に移る景色をボンヤリと眺めている内に、いつの間にか笹子駅に着いていた。

 改札を抜けたら軽いストレッチ。同時に降りた登山者たちは、すでに三々五々それぞれの目的地に向かっている。ボクの出発は8時35分。
笹子駅


 R20にそって西に進む。上り勾配の国道を、右手にお坊山東峰・南尾根の偵察を兼ねながら歩けば、それほど退屈もせずに追分。「清八峠。本社ヶ丸」と書かれた道標に従って左に折れる。

 点々と置かれている道標を追っていく内に、大沢山に向かう本来の取付き点「奥野稲村神社」をいつのまにか通り過ぎ、追分トンネルを抜けてしまった。トンネルの出口付近で旧道が合流している。神社は旧道にあったのだ。まっ いっか。どこかで右手の尾根に取り付けば本来の登山道にでることができるだろう。

 取り付きやすそうな小尾根を探しながら、とうとう奥野橋まで来てしまった。右手の立木が赤ペンでマークされている。地図を見ると小さな尾根が899mに向かっている。よし、ここから入ろう。

 9時10分立木の赤ペンマークから尾根に取り付く。
右手の尾根に取り付く(奥野橋)


 足だけでなく手まで動員するいきなりの急登だ。だが右手に植林・左に自然林の尾根の背には、境界見出標や石柱、薄〜い踏跡がある。急ぐ必要はない。一歩また一歩と歩を進めれば高度は確実に上がる。

 尾根が右にカーブするころ、ようやく傾斜は緩くなる。左手にゆったりと伸びる尾根が見えてきたナ…と思ったら、主尾根に飛び出していた。右手から上がってくるよく踏まれた道は稲村神社からのものに違いない。方向を左に変えわずかに進めば899mに9時35分。立木の隙間から見える小高いピークが大沢山だ。
立木の向こうに大沢山を見る(899m)


 小さく下って登り返す。先ほどと違ってよく踏まれた歩きやすい道。落ち葉を踏みしめる足元も心地よい。

 ゆるく登っていくうちに巨大な鉄塔が見えてきた。9時50分「東京電力 西群馬幹線 213」鉄塔を通過。少し下って再び登りに変わる。左斜面にアカマツが目立ってきた。左下には新山梨変電所、その上に屏風のように立ちはだかるのは本社ヶ丸。

 傾斜が幾分ゆるみ少し水平になったかナ…と思えるところで一息入れた。振り返るとアカマツの向こうにお坊山から滝子山方面が目よりホンの少し上に見えた。その左端に笹子雁ヶ腹摺山が鋭角的な三角錐をもたげている。今日は尾根をグッと回り込み、あの笹子雁ヶ腹摺山まで歩き通すことが目標だ。まだまだ遠いナ…。

 5分ほど休憩してザックを背負う。
アカマツの林の上にお坊山方面を見る


 やがて左手に伐採跡地が見えてきた。本社ヶ丸が巨大な屏風のようだ。だが傾斜は見た目ほどラクではない。春とはいえ遮る木立さえない太陽の光りを浴びて汗がウッスラとにじんできた。小さなジグザグを切って再び樹林帯に入る。

 ブナやミズナラの尾根を登っていくうちに、左斜面にカラマツが目立ってきた。急登だった尾根が次第に丸みを帯びてくる頃、左手から登ってくる踏み跡と合流。そのすぐ先が大沢山だった。11時ちょうどだった。

 立木に「相模原市相原○○会」の「大沢山」と書かれた看板がかけられていた。

 山頂は木立におおわれているが、南方向が少し開け、御坂山の左に富士山、その右手には黒岳から釈迦ヶ岳に続く御坂の山々を望むことができた。
大沢山


 一汗かいた後の冷たい風が心地よい。だがこの山頂で過ごした15分ほどの間に登ってくる登山者は誰もいなかった。出発は11時15分。

 急な坂を下り始めてすぐ、正面の開けた岩場に出る。1450mの後ろに、南アルプスの峰々が薄〜く霞んでいた。肉眼でかろうじて見えるこれらの山々が、写真に収めたときには青空の中にとけこんでしまうことが残念。

 急で細い尾根を下り続ける。周辺に肉厚に赤茶っぽい葉の群落(イワカガミ?)が見られる頃岩峰が現れる。踏み跡は岩峰の左を巻いているが岩の上に登って見た。北側はお坊山の向こうに小金沢連嶺、南には御坂山や黒岳方面が、木立にじゃまされることなくすっきりと見通すことができた。
正面に1450m。南アが肉眼でかろうじて見える


 急な道を更に下って登り返す。踏み跡はしっかりしているが突き出た枝先が道の上をおおって少しわずらわしい。11時40分1397m(?)を通過。左にアカマツ林を見ながらゆったりと登っていく。辺りにブナが見られる頃傾斜が一段とゆるくなり、11時55分1450m。

 エアリアにはボッコノ頭と表記されている山頂には、「三ツ星山 1450m」と手書きされた標識があった。

 東西に細長いピークの西端に踏み跡がある。手書きの標識の通り三ツ星地区に降りることができるのかも知れない。カラマツの枝越しに1487m方面を見ながら小休止。
1450m。ボッコノ頭とも…


 12時5分、北に向かう踏み跡を下る。ブナやミズナラの間をぬって細い尾根に乗る。背の低いササが出てきた。緑の下草、葉を落としたカラマツ林。正面に見えるひときわ大きな山は京戸山方面だろうか。

 1355mはササヤブの中。立木にマークされた矢印に従ってやや左の尾根に回る。突き出た小枝のうるさい道を下っていくと、やがて左斜面がまだ若いヒノキの植林帯に出る。正面に大洞山が見えてきた。

 この刈られた尾根の小ピークから見る小金沢連嶺方面や御坂・釈迦ヶ岳〜甲府盆地方面の展望が素晴らしい。霞がかって南アルプスの見えないことが残念だが…。
若い植林帯の向こうに大洞山を見る


 明るい植林帯から再び小枝のうるさい急な尾根を下り、12時35分摺針峠に降り立つ。

「摺針峠 1291m 御坂町」と書かれた立派な標識が立っていた。

 左右に踏み跡がある。左(西側)に向かえば三ツ星地区へ、右(東側)に向かえば狩屋野川沿いの林道に出て新田に降りることができるのかもしれない。
摺針峠


 西側樹林越し、御坂トンネル料金所の近くに細長い雪渓が見えた。リフトや駐車場も見えたからスキー場のようだ。

 東側は少し開け、笹子方面や本社ヶ丸・大沢山方面を見ることができた。
中央・大沢山の左奥に本社ヶ丸


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☆摺針峠〜JR甲斐大和駅

 摺針峠12:40…大洞山12:55/13:15…三境13:25…
 石柱のあるピーク13:50/14:00…笹子峠14:25…
 209号鉄塔14:50/14:55…笹子雁ヶ腹摺山15:15/15:25…
 208号鉄塔15:40…林道16:10…JR甲斐大和駅16:40


 周辺の観察が終わったら12時40分、正面の尾根に取り付く。手足を総動員する急な登りだ。岩の点在する間をぬいながら一歩また一歩と高度を稼ぐ。

 小さなピークをやや左に折れると傾斜はようやくゆるくなる。
岩ゴロの急登


 落ち葉の降り積もる気持ちよい道をゆったりと登り切れば、12時55分三等三角点のある大洞山。

 立木に「大洞山 1402.6m N.W.V」と書かれた看板があった。

 小広い山頂の一角にザックを下ろす。二つ目の目標を果たした。持参のビールで乾杯! そしてだいぶ遅い昼食。木の枝越しに黒岳とスキー場。富士山はすっかり霞んでもうハッキリ見えない。

 20分近くもこの山頂で過ごしたのに、登ってくる登山者は一人もない。そう言えば今日、尾根に取り付いてからまだ誰にも会っていないな…。
小広いピークの大洞山


 山頂出発は13時15分。一部にヤセた尾根を下って登り返せば再びササの下草が目立ってくる。

 その先の小さなピークが1411mの三境(カヤノキビラノ頭)だった。13時25分。正面には京戸山やカヤノキビラ・北尾根方面に向かう踏み跡、右手には笹子峠方面に向かう踏み跡。

 今回は右手・笹子峠方面に折れる。
三境から笹子峠方面に向かう


 急な細い尾根を下る。特に左側の崩壊が激しい。尾根上には比較的新しい靴跡が残されている。所々にスリップした跡もある。雪の解けた直後に歩いた人のものかもしれない。

 5分ほどで露岩の上に出る。目の前が開けこれから目ざす笹子雁ヶ腹摺山方面や、今まで辿ってきた大沢山方面の展望が素晴らしい。
本社ヶ丸や大沢山方面を見る


 小さなピークを右に折れる。小枝のうるさく突き出た尾根を下ること数分で、再び展望が開ける。小金沢連嶺や本社ヶ丸方面の展望を楽しみながら小さく下る。

 鞍部から登り返したピークに13時50分。石標があり、右手(東側)から登ってくる尾根上にはかなりはっきりした踏み跡があった。新田に直接下ることのできる尾根かもしれない。

 大沢山や大洞山方面の展望がよい。辿った尾根を振り返りながら小休止。
石標のあるピーク


 14時、北に延びる尾根に向かう。1278m(中尾根ノ頭?)から右手(東側)に向かうとササが現れる。「休猟区」の黄色い看板のあるピークからは左の尾根へ。しばらくはゆるやかに進んだ後、急激に下る。木々の間から見える笹子雁ヶ腹摺山がグングン高くなっていく。

 14時25分、下りきった鞍部が笹子峠だった。すぐに向かいの尾根に取り付く。トラロープにも頼りながら2〜3分登ったところに「←笹子駅 笹子雁ヶ腹摺山→」「甲斐大和駅 日影地区↑」の看板があった。
笹子峠


 ここから先は今までとは打って変わるほどよい一般ハイキングコース。送電線巡視路でもある道はよく踏まれていて歩きやすい。

 すぐに尾根道と巡視路の分岐に出た。いくつかの小ピークを巻いている巡視路を辿ることにした。路は尾根の右側を巻きながらほとんど水平につけられている。

 14時50分、巨大な209号鉄塔の基部に立つ。笹子雁ヶ腹摺山の白い山頂標識が見える。急登もあと30分も頑張ればあのピークに立つことができるだろう。送電線の先に大沢山や大洞山を見ながら一息入れる。
209号鉄塔


 出発は14時55分。急登には送電線巡視路特有の黒いプラスティックの階段が付けられている。あせらない、急がない。一歩また一歩と辿れば必ずピークに達することができる。そのピーク直下で下ってくる単独の登山者とすれ違った。今日始めて会う登山者だった。

 15時15分笹子雁ヶ腹摺山。以前(2002.1.6)すっきり見えたお坊山〜滝子山や小金沢連嶺が霞んでいる。大沢山の後ろに見えるはずの富士山は白濁した空の中にすっかりとけこんでいる。午後の遅い時刻では、南アルプスも八ヶ岳も、肉眼でさえはっきり見ることができなかった。

 だが心は、3つめの目標をやり遂げた満足感でいっぱいだ。ビールはないけどペットボトルのお茶で小さく乾杯!
笹子雁ヶ腹摺山


 だけど、一般ルートにもかかわらず登山者の通過は一人もない。展望が利き、登山者がいれば四方山話に花が咲くことだろうけど、この時間帯では一人だけがポツンと取り残されている感じ…。15時25分には山頂を後にする。

 北方向(お坊山方面)に100mほど進み、右折する一般登山道と分かれて北に延びる送電線巡視路に入る。落ち葉でフカフカの尾根道。急な下りにはプラスティックの階段。

 15時40分には208号鉄塔の基部に着いた。基部の周辺は刈り払われ、送電線の先に小金沢連嶺や日川尾根、南西には甲府盆地が霞の中にぼんやりと見えた。晴れた日の午前中だったら南アルプスが素晴らしい迫力で見えるだろう。
208号鉄塔から雁ヶ腹摺山を振り返る


 鉄塔からしばらくは落ち葉を踏みしめながらの気持ちよい下り。途中に楕円形の石碑があり文字が書かれていたが達筆しぎて読みとれない。

 この先からトラロープも張ってある急な階段道に変わる。木々の間から丸林の集落が見えた。その上に見えるピークは徳並山だろうか、古部山だろうか…?
山あいに集落を見る


 細い尾根上、階段状の急な下りは更に続く。右下に林道が見えてくる頃、林業経営のなごりでもあろうワイヤーを過ぎ、急な鉄階段を下って林道に降り立つ。16時10分だった。

 棚小屋沢に沿って林道を下れば16時25分、R20「道の駅」の後ろに出る。

 R20を辿って甲斐大和駅に着いたのが16時40分。上り電車の時刻を確認して駅前の食堂に入る。

「15時27分の電車に間に合うよう、何か適当にお願いします。」
 最も早くできるという「カキフライ」を肴に、生ビールで乾杯! 久しぶりに長丁場の山歩きだった。デジカメの画像を見ながら2杯目の生ビール。地図に無い道…とはいえ比較的ポピュラーなバリハイ。しかし今回も本当に静かな山旅だったな…。
JR甲斐大和駅




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